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恋愛の話に合わせて笑っていた私が、初めて本音を話せるまで|22歳・大学生

大学4年生の彩花さんは、授業やアルバイト、友人との旅行など、忙しくも楽しい毎日を送っています。一方で、友人たちの恋愛話になると、いつも聞き役に回っていました。

男性と付き合ったことがない。それ自体よりも、「今まで誰とも付き合っていないと知られたら、話の輪に入れなくなるかもしれない」という不安を抱えていたといいます。

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彩花さん・大学生(22歳)

彩花さん、最近、友人との会話で少し変化があったそうですね。

はい。この前、仲のいい友達に「実は今まで付き合ったことがないんだ」と言えました。言う前はすごく緊張したんですけど、帰り道は、もう話を合わせなくてもいいんだと思ってほっとしました。

それまでは、恋愛の話が出るとどうしていたのでしょうか。

「最近は何もないよ」とか、「今は忙しいから」と答えていました。嘘ではないんですけど、昔は付き合った人がいたように聞こえる言い方をしていたと思います。

友達から「前の彼氏はどんな人だった?」と聞かれて、その場で曖昧に答えたこともあります。後で一人になると、どうして普通に言えなかったんだろうと落ち込みました。次に会う時まで、その話を覚えていなきゃいけないのも嫌でした。

恋愛そのものには、関心があったのですか?

ありました。気になる人もいましたし、二人で出かけてみたいと思うこともありました。でも、相手からどう見られているかを考える方が先になってしまって。

サークルでよく話す人に映画に誘われた時も、行きたいのに「二人きりだと何を話すんだろう」と考え続けて、返事が遅くなりました。結局、予定があると言って断ったんです。本当は空いていたのに。

周りと比べる気持ちが強くなったのは、いつ頃でしたか?

友達が彼氏と卒業旅行の計画を立てていた時です。私は友達との旅行を楽しみにしていたはずなのに、急に自分だけ大学生活をやり残している気がしてしまいました。

SNSを見ても、二人で出かけた写真ばかり目に入るんですよね。誰も私に何か言っているわけではないのに、勝手に採点されているような気持ちになっていました。

誰かに話してみようと思ったきっかけを教えてください。

アルバイトから帰った夜、友達とのメッセージを何度も読み返していたんです。別に嫌なことを言われたわけでもないのに、返す言葉が見つからなくて。その時、恋愛より、隠すことに疲れているのかもしれないと思いました。

最初は、相談して何を聞かれるのかも不安でした。「どうして今まで付き合わなかったの?」と責められたら嫌だなと。でも、今のまま一人で考えていても、同じところをぐるぐるするだけだと思いました。

初めて悩みを言葉にした時は、いかがでしたか?

「恋愛経験がありません」と言うまでに、かなり時間がかかりました。先に大学のことや就職先のことを話して、肝心なところをずっと避けていたんです(笑)。

ようやく話した時、自分で思っていた以上に声が小さくなりました。私はこの話を、そんなに恥ずかしいことだと思っていたんだなと、その時初めて気づきました。

相談の中では、どんなことを整理したのでしょう。

「彼氏がほしい」と「友達に遅れていると思われたくない」を分けて考えました。それまでは同じことだと思っていたんですけど、書き出してみると少し違いました。

私は誰でもいいから付き合いたいわけではなくて、気になる人と、もっと気楽に話してみたかったんです。まずはそこからでもいいのかなと思いました。卒業までに何かを達成しなきゃ、という気持ちも少し薄れました。

友人に話すことは、その時に決めたのですか?

すぐには決めませんでした。話す相手を選んでいいし、話さないことも選べると考えたら、逆に一人だけなら話してみたいと思えました。何でも打ち明けなきゃいけないと思うと、また苦しくなりそうだったので。

相手は、普段から人の話を面白半分に広めない友達です。大人数の食事会ではなく、二人で帰っている時に話しました。「みんなにはまだ言わないでね」ということも、一緒に伝えました。

その友人は、どんな反応でしたか?

「そうだったんだ。話してくれてありがとう」と言ってくれました。それから普通に、翌日の授業の話になったんです。もっと大きな出来事になると思っていたので、拍子抜けしました。

もちろん、誰に話しても同じ反応になるとは思っていません。でも、この友達との関係は変わらないんだとわかったことは大きかったです。私が隠していた間も、友達は別のところを見て仲良くしてくれていたんですね。

気になる男性との関係にも変化はありましたか?

最近は、話しかける前に全部の会話を考えなくなりました。「この前言っていた映画、観たよ」と、それだけ伝えてみたりしています。まだ二人で出かけてはいないです。

前なら、会話が続かなかっただけで「向いていない」と思っていました。今は相手も忙しい日だったのかもしれないし、一回の会話で結論を出さなくてもいいかなと思っています。

今も、周りと比べてしまう日はありますか?

あります。友達の写真を見て、いいなあと思うこともありますし、また焦る日もあります。相談したから何も気にならなくなった、という感じではないです。

ただ、そういう日はSNSを閉じて、卒論を進めたり、友達と別の話をしたりするようになりました。恋愛のことを考えていない時間も、自分にとってちゃんと大切な時間なんだと思いたいです。

同じように本当のことを言えずにいる方へ、伝えるとしたら?

無理にみんなに話さなくてもいいと思います。私も全員に話したわけではありません。言いたくないことを聞かれたら、「その話はまだ内緒」で終わらせてもいいんだと、今は思います。

もし話したい相手がいるなら、いきなり全部ではなくて、「この話になると少し困るんだ」からでもいいのかもしれません。私は彼氏ができたわけではないけれど、友達に会う前の気持ちは以前より楽になりました。

彩花さん、ありがとうございました。残りの学生生活も、ご自身が楽しめる時間を大切にしてくださいね。

さいごに。

彩花さんの物語で負担になっていたのは、恋愛経験の有無だけでなく、そのことを隠すために会話を調整し続ける日常でした。友人と過ごす楽しい時間にも、言い間違えないようにという緊張が入り込んでいました。

彼女が選んだのは、卒業までに交際相手を見つけるという目標ではありません。信頼できる一人に、話せる範囲で本音を伝えることでした。話す相手や場所、伝える内容を自分で選んだ点にも、彼女なりの慎重さが表れています。

誰かに伝えることが、すべての人にとって必要なわけではありません。プライベートな質問に答えないことも、話題を変えることもできます。自分のことをどこまで共有するかは、自分で決めてよいものです。

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